インフルエンザの防止に木は有効
毎年のようにインフルエンザが流行しています。
次のような方は、インフルエンザにかかると重症化しやすいといわれるハイリスクグループにあてはまります。
高齢(65歳以上)
小児(5歳未満)
妊娠中
肥満
基礎疾患がある
慢性呼吸器疾患(喘息、慢性閉塞性肺疾患など)
慢性心疾患(先天性心疾患、冠動脈疾患など)
代謝性疾患(糖尿病など)
腎機能障害
免疫機能不全(ステロイド内服、T細胞性免疫不全など)
合併症として、気管支炎、肺炎、中耳炎などがみられます。 重大な合併症には急性脳症(インフルエンザ脳症)や重症肺炎があります。
木造校舎とRC校舎とで、児童のインフルエンザによる学級閉鎖数を比較したところ、木造校舎はコンクリート校舎の約1/3という調査結果があります。
なぜこのような大きな差が生まれるのでしょう。
それは、木材には、コンクリートやプラスチィックにはない「調湿作用」があるからです。インフルエンザウィルスは、気温が低く、空気が乾燥している環境では長期間生存し続けますが、湿度が50%以上になるとウイルスの多くが短時間で死滅してしまいます。
部屋が乾燥している時には木材中の水分を吐き出し、湿気が多いときには余分な湿気を吸収する木材は、湿度を快適な状態に保つ効果をもっているため、木造校舎ではインフルエンザの感染が減ったと考えられます。
また、その他の病欠や不登校が少ないことの理由についても、木の香りや調湿作用などが心と身体に安らぎを与えているためと多くの調査結果で報告されています。
ちなみに、老人ホームを対象に行われた同様の調査においても木材使用率の多い施設では、インフルエンザの感染や転倒による骨折、不眠を訴える人の割合が少ないという結果も出ています。
木の有効性を持たせたまま少し手を加えるだけでインフルエンザの防止は簡単に行えます。